ご挨拶
AWCCセンター長
山尾 泰
 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター(AWCC)長の山尾です。
AWCCが設立されて10年間が過ぎました。この間にAWCCはその活動指針である4つのキーワードすなわち

 ワイヤレス情報通信に特化した先端研究=研究の個性化
 
技術専門性を高める大学院教育・社会人教育=教育の深化と展開
 
産学連携(共同研究)の推進=研究の社会的活用
 
競争的研究資金の獲得=自立化

を目標に掲げ、それぞれに大きな成果を上げることができました。

 2015年度からは、この10年間の活動を総括して継続発展させるとともに、今後の社会におけるワイヤレス技術の利用拡大を意識して、
 
 "Ambient Wireless in Connected Community (AWCC)"
 〜「情報通信を支えるワイヤレスから社会基盤を支えるワイヤレスへ」

 
を新たなビジョンとして掲げ、

 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター
 (Advanced Wireless & Communication Research Center; AWCC)

 
としてスタートしました。新センターではワイヤレス通信から一歩足を踏み出し、研究センター名が示す領域を「ワイヤレスコミュニケーション」から、「ワイヤレス+コミュニケーション」に変更し、より広い範囲のワイヤレス関連先端技術の研究開発に分野を拡大すると共に、大学の使命である基礎学術面でもより一層の深耕を進め、その存在を世界においても十分示していけるよう、強化を図ることとしております。

また研究内容の拡張にあわせて研究部門の名称を見直し、以下の分野を強化・重点化して取組みます。

(1)「社会基盤ワイヤレス工学研究部門」
   "Wireless Technology as Social Infrastructure"

 社会と生活の基盤としてワイヤレスの果たす役割がますます重要となっており、自動運転に向けたITSの通信技術を初めとして、安全・安心で快適な社会を実現するための「ひとにやさしい技術」を研究します。
 
(2)「革新的ハードウェア研究部門」
   "Innovative Hardware for Wireless & Communication"

 5G(第5世代移動通信)に向かって、ワイヤレス・通信の広帯域化と大容量化は留まるところを知りません。高い性能を得るため5Gでは、マルチバンド・マルチアクセスなど、従来にない電波の利用が想定されており、ワイヤレスハードウェアの革新が必要です。
 
(3)「最先端ワイヤレスシステム創成部門」
   "Advanced Wireless Sytem & Networks"

 AWCCではこれまでに自律分散ダイナミックマルチホップネットワーク、コグニティブ無線、高信頼ネットワーク制御、環境適応型ベースバンド無線などの基盤技術を研究してきましたが、今後はこれらの技術を組合せ、レイヤ・有線・無線を超えた究極的なネットワーク設計技術の確立を図ります。
 
(4)「低電力ワイヤレス研究部門」
   "Exploring Low Power Wireless"

 ワイヤレスシステムの超低電力動作を可能とすることによってワイヤレス技術の適用範囲が一気に拡がり、あらゆるモノがネットワーク化される社会へ一歩近づくことが可能になります。そのためのワイヤレスシステムの超低電力動作を可能とする革新技術を追求します。
 

AWCCは広く開かれた研究センターとして、皆様といっしょに考え、ワイヤレスとコミュニケーションの研究教育面で貢献して行きたいと思います。今後も皆様のご支援、ご理解の程よろしくお願いいたします。