センター長
藤井 威生

2019年4月より新たに先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター(AWCC)長を拝命しました藤井です。

2005年に設立されたAWCCはまもなく15周年を迎えます。ワイヤレス情報通信に特化した大学設置の研究センターとして活動を続け、学内外の皆様にもご協力いただき、多数の共同研究、国の委託研究、科学研究費助成(科研費)を獲得しながら、大きな成果を上げることができております。

この間ワイヤレス通信は、通信システムのフレキシビリティを向上させるための無線化から、5GやIoT(Internet of Things)の議論の深まりとともに、人々の生活および社会そのものを支える基盤技術として進化をつづけております。

AWCCでは現在の研究ビジョンを

“Ambient Wireless in Connected Community (AWCC)”
 ~「情報通信を支えるワイヤレスから社会基盤を支えるワイヤレスへ」

として、大学ならではの視点を持ちつつ、社会に役立つ研究を目指して、産業界・国とも連携したワイヤレス技術の最先端研究を推進しております。

研究ビジョンの実現に向けて、着実な研究の推進を見据え、以下の研究部門に分かれて研究活動を行っております。

(1)「社会基盤ワイヤレス工学研究部門」
   ”Wireless Technology as Social Infrastructure”

 社会と生活の基盤としてワイヤレスの果たす役割がますます重要となっており、自動運転に向けたITSの通信技術を初めとして、安全・安心で快適な社会を実現するための「ひとにやさしい技術」を研究します。

(2)「革新的ハードウェア研究部門」
   ”Innovative Hardware for Wireless & Communication”

 5G(第5世代移動通信)に向かって、ワイヤレス・通信の広帯域化と大容量化は留まるところを知りません。高い性能を得るため5Gでは、マルチバンド・マルチアクセスなど、従来にない電波の利用が想定されており、ワイヤレスハードウェアの革新が必要です。

(3)「最先端ワイヤレスシステム創成部門」
   ”Advanced Wireless System & Networks”

 AWCCではこれまでに自律分散ダイナミックマルチホップネットワーク、コグニティブ無線、高信頼ネットワーク制御、環境適応型ベースバンド無線などの基盤技術を研究してきましたが、今後はこれらの技術を組合せ、レイヤ・有線・無線を超えた究極的なネットワーク設計技術の確立を図ります。

(4)「低電力ワイヤレス研究部門」
   ”Exploring Low Power Wireless”

 ワイヤレスシステムの超低電力動作を可能とすることによってワイヤレス技術の適用範囲が一気に拡がり、あらゆるモノがネットワーク化される社会へ一歩近づくことが可能になります。そのためのワイヤレスシステムの超低電力動作を可能とする革新技術を追求します。

本大学にとどまらず他大学・他研究機関との連携を強め、日本から世界へ向けて大きな研究成果を発信するための拠点としての役割も強化していきたいと考えております。今後とも、外部と連携した研究活動をより一層推進していく所存ですので、皆様のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。